登山・トレッキングを楽しむためには山の気候・気温の特徴を知っておくことが大切です。
標高が高い山は平地と同じような気候ではありません。
山特有の気候や気象条件、天候の変化の仕方などを、安全な登山・トレッキングのために覚えておきましょう!
山の気候は気温と風がネック
標高が高い山では平地とは気象条件が異なります。まず気温は、一般的には標高が100m上がる度に0.6度ほど下がるといわれています。標高2,000mの山は海抜0mの平地より約12度低いことになり、真夏でも朝晩は冬のような気候になることがあります。
さらに山では尾根(稜線)という峰と峰をつなぐ道があり、標高が高い地域では風を防ぐ樹木がない場合があります。そのような場所では天気が良くても強風が吹き荒れることもあり油断できません。風は水が蒸発する時に熱を奪う現象(気化熱)を引き起こし、汗や雨などの体の濡れによる体温の低下を招きます。
山の厳しい気候を知ると、登山・トレッキングに必要な服装や持ち物・装備がいかに重要であるかを理解できます。
恐ろしい山の雷
毎年にように登山・トレッキング中に落雷の被害による死傷事故が起きています。標高が高い山で発生する雷は平地よりもはるかに高いリスクがあります。雷を引き起こす積乱雲は下層雲(高度2,000m以下)で発生して高度13,000m程度まで上昇します。山で雷が発生すると雨が降り出す前に落雷を起こすこともあり、予兆を感じる前に雷雲の真っただ中にいることもあります。
また、登山・トレッキングでは標高が高く周りに何もないような場所を歩くことがあるため、場合によってはほとんど逃げ場所がありません。
山の雷がいかに恐ろしいかを想像できると思います。山で雷に遭遇しないためには、事前に天気予報をよく確認することが重要です。
大気の状態が不安定な時は注意が必要で、積乱雲は気温が上がる午後に発生することが多いので山では早めに下山できるよう行動しましょう。万が一、登山・トレッキング中に雷に遭遇したら付近の山小屋へすぐに避難してください。
山小屋がない場合は高い樹木から離れて、メンバー同士の間隔を広げ、姿勢を低くしゃがんだ状態で待機しましょう。その際は落雷に備えて鼓膜を守るため耳をふさいでください❗
雲は山の景色をつくる主役級の立役者
積乱雲は雷を起こす恐ろしい雲ですが、雲そのものは太陽の光と共に山の美しい景色をつくる立役者でもあります。眼下に広がる雲海は、まるで空を飛んでいるような感覚になります。また、滝のように流れ落ちる滝雲はナイアガラを更に雄大にしたような景色を生み出します。雲によって山でしか見ることができない光景が作られます。さらに、雲は登山者にとっては天気を知る手がかりともなります。
雲の形や流れ方、風や空の色などの自然現象から天気の移り変わりを予想することを、観天望気(かんてんぼうき)と言います。
雲を見ることは登山者にとっては安全を守ることにもつながります。
山の天気は変わりやすい
「山の天気は変わりやすい」とは昔から伝わるよく耳にする言葉です。
湿った空気が標高が高い山に当たると上昇気流となり山の上で冷やされ雨雲を発生させます。平地は快晴なのに山が大きな雲で覆われていることがあるのはそのためです。
さらに山の地形によって空気の流れが複雑に変化することで、平地に比べて山の天気は変わりやすくなります。
天気予報は晴れなのに山頂は雲に覆われ、場合によっては大雨になることもあります。
特に気温が高い時期は午後に天気が変わりやすくなるため、注意が必要です。
登山・トレッキングは「早出早着」が基本です☀
山では紫外線が強い
登山・トレッキング中は紫外線による影響が平地よりも強くなります。
標高が高い場所ほど紫外線を和らげる空気が薄くなるため、高度1,000mでは海抜0mと比べて紫外線は10%以上強くなると言われています。
また、登山・トレッキングでは日差しを遮るものが少ない場所もあります。
山では、長袖シャツ、長ズボン、帽子、日焼け止めクリーム、サングラスなどの紫外線防止対策をしっかりおこないましょう😎
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